在宅勤務中の集中力の育て方(ポモドーロテクニックへの誘い)

在宅勤務は楽園か?

あなたの会社は在宅勤務に取り組んでいるだろうか。

COVID-19の流行によって、東京の多くの企業が在宅勤務(テレワーク)に取り組み始めた。在宅勤務はソフトウェア開発者にとって理想的な就業形態のひとつだ。在宅勤務は自身の時間が最も生産的に使われるように、最大限の努力と最小限のコストを掛けねばならない。

私が最初に在宅勤務に取り組んだのは、6年ほど前になる。そのときは、Webサイト作成(HTML, CSSでデザインを起こす作業だ)の請負をやっていた。期日までに指定された作業を行い、完成したら依頼主にメールで連絡し、査収を受けるという流れだった。

とても孤独で辛い時間だった。タスクひとつあたり幾ら、という契約だったので、何個タスクを抱えられるか、そしてそのタスクをどのくらいこなせるか、ということに頭がいっぱいだった。

一度、集中に入ってしまえば簡単に片付けられるのだが、集中に入る良いすべを私は知らなかった。この文章は6年前の私に送りたい。

当時の私の在宅勤務は散々なものだった。夕方頃に起床して適当なものを食べ19時からMacBookを開く。いまいち作業が進まない。調べ物ついでにwebサイトを見始め、気がつくと時計は0時を回ろうとしている。慌てて作業をはじめる。嫌々やっているうちに集中しはじめ、時間を忘れて作業するり。疲労と空腹を感じ4時頃に夜食を食べる。また作業に戻るが、先ほどのような集中とは出会えない。またwebサイトを見ながらカメのように(あるいはナマケモノのように)作業をする。やがて世が明け、朝の8時頃にベットに倒れ込む。昼過ぎに起きても疲労感は取れないままだ。地獄のような在宅勤務だった。

なんて非生産的なんだろうか。私は1日中働いた感覚を得ているが、実際集中して作業できていたのは4時間程度だ。しかもその集中に入るまでに多くの無駄を産んでいる。

私は6年前の私に出会えたら、ポモドーロテクニックを取り入れさせようと思っている。そのくらいポモドーロテクニックは効果のある集中管理手法だ。この手法は、1980年代には開発されたというのに、私はごく最近までこれを知らなかった。

集中力の鍛え方

集中に入るまでの助走期間のよう時間が最たる無駄だった。集中力とは自分の意思で集中を引き出す力ことだ。これは自らの管理によって簡単に行える。

集中は有限

個人差もあるが、集中力は体力と同じように有限である。つまり、何時間も走り続けることはできないし、1日に集中できる量を超えると翌日にも不調が続く。

世の中には、10時間、12時間と集中できる人もいるだろうが、あなたと超人を比較することに価値はない(ただ、あたながクリプトン星出身者なら話は別だ)。

一度の集中と連続した集中

一度に多くの時間、集中すると疲労が大きくなる。一度に4時間集中するより、細かく分割して集中力を使用した方が回復が楽だ。疲労によりあなたは頭痛や腰痛を感じるかもしれない。そして何より疲労はあなたを次の集中から遠ざける。

やり始めれば集中できる

5分意識を集中すれば、そのことに没頭できる。意識を向け、実際を手なり頭を動かはじめるのが大事なのだ。その5分間は他のことを意識を向けてはいけない。

ポモドーロテクニック

細かな集中を連続して繰り返す手法に、とてもよい名前が付いている。それがこの記事の表題であるポモドーロテクニックだ。

ポモドーロテクニックは、25分間の集中と5分の休憩を1ポモドーロとし、ポモドーロを繰り返す集中の仕方だ。4回のポモドーロの後、通常の休憩より長い30分〜45分の休憩を取る。集中の時間と休憩の時間は、変更して構わない。私はそのまま25分と5分で使用している。

ポモドーロテクニックで重要なことは2つある。1つは、休憩が来たら必ず作業を切り上げること。もう1つは邪魔(職場からの電話やチャット、もしくはあなたの配偶者があなたにテレビの芸能人の話を始めたときだ)が入ったらそのポモドーロを中止することだ。再開するときは新しいポモドーロを始めよう。

1つ目の理由は、どんなに良いところ(素晴らしいロジックを思いつき、今すぐ試したいとき)でも休憩を挟んだ方がよい。このポモドーロテクニックの良いところは、強制的に集中力を使用する方法で、したいときにしたいだけ集中力を使用する手法ではない。休憩を確実に取ることで、次のポモドーロも質の高い集中力が使用できる。

2つ目の理由は、あなたの集中を妨げる外敵を先に駆除するためだ。あなたに話しかけてきた用件は、いま、そのときでないといけないなものだろうか。あなたは集中力を使いたくてこの手法を取り入れるのだ。あなたはポモドーロテクニックを使用する際には、あらかじめ周りに一言、すまないが、この時間は話しかけないでくれ、と言うのがよい。

習慣化する

ポモドーロテクニックは、習慣化することで大きな威力を発揮する。あなたは午前、昼、午後の習慣を持っているだろうか。ポモドーロテクニックは、あなたの仕事の習慣化に大きな力を発揮する。

例えば、午前に5ポモドーロの仕事、昼休みには1ポモドーロのジョギング、その後ランチ、午後に5ポモドーロの仕事、夕食を取り、勉強時間に3ポモドーロ、そして自由時間と就寝。今日のポモドーロと昨日のポモドーロの差が見えてくる。ポモドーロテクニックは、集中して作業をするための手法なので、例え結果が出てなくてもよい(あなたは仕事が片付かなくても落ち込む必要はないし、2kmのジョギングを走りきれなくても問題はない。技術書が難しくて15ページしか読み進められなくてもよい)のだ。

あなたは仕事や運動、勉強の集中時間管理がとても楽になる。これはあなたの習慣化に大いに役に立つだろう。

計測する

ポモドーロテクニックは時間の計測にも役に立つ。例えば、あなたが見積もったタスクは、あなたが考えたポモロード数で終わらせられているだろうか。あるいは、同じタスクを今までより少ないポモドーロで終わらることが出来ているだろうか。1日のポモドーロ数は何個だろうか。つまりあなたは1日に何時間集中できているだろうか。

私は月曜日に1週間の仕事のタスクをノートに書き出し、ざっとポモドーロ数を割り当てている。1日10ポモドーロになるように1日の作業を割りふる。1日が終わると、実際にかかったポモドーロ数を、予定ポモドーロ数の隣に記載する。

私は計測によってソフトウェア設計文書作成と、上司への確認が自分の思っている以上に苦手だったことを知った。この2つは、予定ポモドーロ数以上になりがちだった。私は早速、設計文書作成と上司とのコミニュケーションの仕方の本をAmazonで注文した。

ポモドーロテクニックの活用

私は仕事、運動、勉強の3つにこの手法を使用している。どれも共通することは、最初は億劫で集中しはじめるまでに時間が掛かるものだ(実はこのブログの執筆も含まれている)。この手法を取り入れてから、2つの利点が現れた。

1つは、細かい時間でも集中できるようになったことだ。例えば、通勤電車で座れたときや、妻が入浴しているとき、煮込み料理の待ち時間があるとき。短い時間で集中して1ポモドーロ進めることができる。

2つは、作業をすることが楽しくなった。正確には消化されたポモドーロが積み上がるのが楽しくなった。おれは今日4ポモドーロ勉強したぞ!と自分に向かって言えるのだ(しかも客観的事実がそれを補強している)。これ以上に楽しいことはないと私は感じている。

あなたの在宅勤務の集中管理にも、ポモドーロテクニックは大変役に立つだろう。

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